同僚のマミコとランチしていて、歯列矯正の話をちょっとしました。

あまりにショックでまだ誰にも言ってなかったのですが、マミコは去年結婚していてわたしよりも経験豊富なので、思わず彼のご両親に逢った話なんかも聞いてもらったのです。それによると、やっぱり、なにかちょっとでもわだかまりがあると、結婚して落ち着いて、気心知れた頃にどかんと来るのだそうです。とくに独占欲の強い母親ほど、息子を取られたあとは嫁にあれこれ言ってくるのだとか。

うわぁ……怖い。

大丈夫か、わたし。

でも、いい情報も教えてもらいました。マミコのお姉さんは歯科衛生士で、歯のことについてはけっこううるさいのだけど、それによると、歯列矯正というのは、歯並びだけでなく、噛み合わせも直してくれるから、人によっては、身体の歪みや、肩こり、腰痛なんかも治ることがあるのだそう。

そういえば、マミコのお姉さんには、結婚式で逢ったはず。マミコ自身もお姉さんの影響で、ランチのあと必ず歯を磨いていることを思い出しました。

そしてなんと、いまはブライダル矯正というのをやってくれる歯医者さんもあるそうです。これにはびっくりしました。そしてさらに、とても便利なサイト、『矯正歯科ネット』も教えてもらいました。矯正のことならなんでも詳しく知ることができて、全国の矯正歯科もたくさん紹介されている、専門サイトなのだそうです。

 

きょうは二週間ぶりに歯医者に行きました。

右の八重歯、歯茎との境目のあたりが虫歯になって穴が空いてしまっているのです。仕事があって平日は行けないのでいつも土曜日に行くのですが、先週は彼のご自宅訪問があったので、予約はしてあったけどキャンセルしたのです。

時間はべつに大丈夫だったし行けたけど、そわそわして落ち着かなくて(笑)。

ああ、もう一週間経っちゃったんだなぁ。。。

もしかしたら、彼のお母様に、この治療中の歯もじっくり観察されたのかもしれない。

八重歯って、ちょっと不便なところがあって、大笑いしたあと口を閉じようとすると、乾いてしまって唇が引っかかったりするんですよね。それで自分で歯を舐めたりなくちゃいけなくて、そういうのも印象が悪かったのかも。

治療が終わったあと、歯医者さんに矯正のことをそれとなく聞いてみました。それによると、矯正は矯正専門の矯正歯科という歯医者さんがあって、うちではやってないとの返事。考えているなら、紹介はできる。年齢的には何歳でも大丈夫ということ、虫歯や歯肉炎、顎関節症などがあると、治してからでないとできない、ということも教えてもらいました。

お金かかるんでしょうね、と思わず呟くと、保険が効かないし、どこをどう直すかによって金額も変わる、という答えでした。

結婚式の費用にと思って貯金はしていましたが、もしかしたら、いちばんお金がかかるのは歯列矯正の費用かもしれない。ドレス選んだりとか、式場決めたりとか、そういうことばかり考えてたけど、まさかブライダル準備でいちばんの大仕事が歯列矯正とは……。

結婚が決まって準備でシアワセ絶頂のはずなのに、なんだか深刻になってきました。こういうことがあるから、マリッジ・ブルーにかかったりするのかもしれないなぁと、ちょっと思ったりしました。

 

彼から話を聞いてから、歯並びが気になってしかたありません。

鏡を見るたびに、どんより落ち込んでしまいます。彼から送ってもらった写真を何度も見ているのですが、見れば見るほど気になります。

そういえばわたしは、潜在意識的に劣等感を持っていたのか、写真に写るときはあまり大きな口を開けて笑いません。口を閉じて写るので、こわばった顔になることが多いんですね。でも、何点か撮ったうちのひとつ、オートシャッターに失敗した時か何かで、大笑いしている写真があって。顔が上を向いてるので、よけいにガタガタの歯が下から見えてしまっているんですが、この笑顔がとても楽しそう。シアワセそうに笑っちゃって、まぁ。でも、それが……。

ショックだったのは、歯並びが悪いと育ちが悪い、と判断されてしまう、ということでした。結婚が決まったことをとても喜んでくれている両親の顔が浮かんで、泣きたくなりました。こんなこと、親にとても言えません。わたしの歯並びのせいで、悲しい思いをさせてしまうことになります。

母親に至っては、もしかしたら激怒するかもしれません。たかが歯並びで人間を判断するような家とは結婚しなくていい、なんて言い出すかも。でも、それはそうかもしれない。いまは優しくても、結婚して遠慮がなくなったら、顔を見るたびに歯並びのことを言われるかもしれない。そんなお姑さんとこれから先、ずっとやっていけるのだろうか。だからって、彼との結婚をやめられる?

それは無理。何もやる気が起きず、買ってきたブライダル雑誌をパラパラとめくりました。載っている花嫁の写真は、どれも花のような笑顔です。わたしも、こんな笑顔で笑って写真に写るはずだったのに。

ああ、そうか。歯並びがきれいだから、こんな笑顔になれるんだ。。。ふと、思いました。

歯並びって、今から直せるのかな。明日、歯医者で、矯正のこと聞いてみようかな。

 

ついに彼のご両親とお逢いする日がやってきました。

会社がお休みの土曜日、彼の実家は千葉市内。最寄りの駅まで迎えに来てもらって、2人で歩いてご自宅に行きました。じつは、社内では彼はいいお家のお坊ちゃんという噂がたっていたので、緊張でドキドキです。

「こんなどこの馬の骨かわからない子」とか言われないように(笑)、いつもより念入りに支度して、ふだん着るのよりは上品めなワンピースも新しく買いました。でも心配するほどのことはなく、ものすごい豪邸だったらどうしようと思っていたお家も、わりとふつうの二階建てで、ちょっとほっとしました。

小奇麗で品よく、お庭には花がたくさん咲いていて、ハーブも植えられているような、そんなお宅。和やかに会話が進み、彼のお母様の手料理も美味しくいただきました。いっしょに写真も撮っていただいて、その日は早めに失礼しました。

問題は翌週です。お母様への印象が気になっていたわたしは、週明け、会社の帰りに待ち合わせして、彼を質問攻め。わたし、どうだった? お父様とお母様、なんておっしゃってた? 撮った写真もタブレットで見せてもらいました。楽しそうに笑ってるわたし。けっこう可愛いじゃん。

なんて思ってたら、彼がこんなことを言い出したんです。「親父はものすごく気に入ってたよ。可愛らしい人だ、明るいし、頭も良さそうじゃないか」って。親父は? ということは、お母様は?

彼は言い渋ったのですが、さんざん問い詰めてついに白状させました。

「優しそうなお嬢さん。とてもしっかりしてるわ。ただ……」

「ただ?」

「歯並びがちょっと残念ねぇ。お育ちが……親御さんがちゃんとしてくださらなかったのかしら」と! ガァ~ン!

「いや、僕はとても可愛いと思うよ、ゆかりんの八重歯。年寄りにはわからないんだよ。いいよ、気にしなくて」。フォローを入れる彼。

頭に、「歯並び、お育ち」という言葉がぐるぐるとうずまいています。

どうしよう。

 

こんにちは、ゆかりです。じつはわたし、28歳で歯列矯正をすることになりました!

歯列矯正って、歯に針金みたいな器具をつけてやるあれですよね。なぜ20代になって?

というか、あまり大きな声て言いたくないですが(笑)30歳目前になって?

だいたい、歯列矯正って、子供の頃にすませておくものなのでは? 小学生の頃、友達の中に一人はいましたよね。口を開けたら、うわっと針金が見えてる子。「歯並びを治してる」ということは何となくわかりましたが、自分はやりたくないなぁと思ったものでした。だってちょっとね、笑ったときに、なんだかすごい感じになるじゃないですか。それに、口の中にあんなものがあるのもうっとうしそうだし、いろいろ面倒くさそう。だったら別に歯並びが悪くたっていいや。別に困らないし。

そう、その時のわたしは、歯並びが悪くて困ることが人生にあるなんて、思いもしなかったんです。でもね、人生には、あるんですよね、そういう時が。タイトルに書いちゃってるから、もうおわかりですよね。

そう、わたし、結婚することになったんです! 結婚式って、人生最大のイベントですよね。綺麗なドレスを着て、大勢の視線を一身に集めます。その日のために、みんな、ドレスが似合うようにダイエットしたり、ジムに行ってシェイプアップしたり、エステのブライダルコースを受けてお肌を磨いたり。最高の状態で、最高の笑顔で、ウエディングドレス姿の写真を撮りたい……。

いえ、自分はべつにいいと思ってたんです。わたし、自分の八重歯はチャーミングだと思ってたし(笑)、これはあとで知ったことですが、お金もすごくかかるし。ところが、結婚って自分ひとりの意思ではどうにもならないんですね。そのことはちょっとずつ書いていくとして、そんなわけで、きょうからブライダル矯正ダイアリーを始めました! 結婚式の準備と矯正について、書いていこうと思います。皆さん、応援してくださいね!

 

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